Claude 消費者向け規約が学習選択制へ
Anthropic が消費者向け Claude の規約を改定。会話をモデル学習に使わせるかどうかをユーザーが選ぶ方式になり、許可した場合はデータ保持期間が30日から5年に延長される。Free / Pro / Max と、それらのアカウントで使う Claude Code が対象。
変更前
消費者向け Claude の会話はモデル学習に使われず、データ保持期間は30日だった。
設定項目そのものが存在せず、利用者が何も選ばなくても学習対象にはならない状態である。「消費者向けだから学習に使われる」という他社に多い前提が、Claude には当てはまらなかった時期にあたる。
変更後
ユーザーが学習利用の可否を選択する。
- 学習を許可する場合: 会話とコーディングセッションがモデル改善に使われ、データ保持期間が5年に延長される
- 許可しない場合: 従来どおり保持期間30日のまま。以降の新規チャットは学習に使われない
対象は Claude Free / Pro / Max、およびそれらのアカウントに紐づく Claude Code。設定は Privacy Settings でいつでも変更できる。
影響
「保持期間が30日から5年になる」という点が本質で、学習利用の可否だけの話ではない。5年間サーバー上に会話が残るということは、退職者が過去に貼った顧客情報、試験的に入力した個人情報、削除したつもりのコードが、長期にわたって存在し続けることを意味する。
業務でこれが問題になる境界は明確である。Anthropic はこの改定が Commercial Terms の対象サービスには適用されないと明記している。すなわち Claude for Work / Claude for Government / Claude for Education / API(Amazon Bedrock や Google Cloud Vertex AI 経由を含む)は対象外で、従来どおり顧客コンテンツを学習に使わない。
したがって取るべき対応は「各自に設定を確認させる」ではなく、業務利用を法人プランまたは API に寄せることである。個人アカウントの設定に依存する運用は、入社・退社のたびに抜けが生じる。
なお、学習をオフにしてもフィードバックとして送信した内容と、安全性レビューでフラグが立った会話は使用され得る。「オプトアウトすれば一切使われない」ではない点は正確に理解しておくべきである。
同種の設計は ChatGPT の Free / Plus も同じで、消費者向け AI は既定で学習に使われるという前提で運用を組むのが現実的である。
「オプトアウトすれば一切使われない」ではない
学習をオフにしても、フィードバックとして送信した内容と、安全性レビューでフラグが立った会話は使用され得る。 オプトアウトは既定の学習利用を止めるものであって、すべての例外を消すものではない。
対象範囲を取り違えると判断を誤る
同じ Anthropic のサービスでも扱いが正反対になる。
- 消費者向け Claude(Free / Pro / Max) — 本改定の対象。学習利用は選択制で、許可すると保持5年
- Claude for Work / Government / Education、API(Amazon Bedrock・Google Cloud Vertex AI 経由を含む) — Commercial Terms の対象で、この改定は適用されない。 従来どおり顧客コンテンツを学習に使わない
「Claude は学習に使うから業務では使えない」という判断は、Anthropic API については誤りである。逆に「同じ Claude だから同じ扱いだろう」と考えて個人アカウントで業務データを扱うのは危険である。
同じ設計は他社にもある
ChatGPT の Free / Plus も同種の構造で、既定でオプトインである。消費者向け AI は既定で学習に使われるという前提で運用を組むのが現実的である。詳しくは横断ページで各社の判定を比較できる。