STORES と BASE の比較
どちらも日本のノーコード EC で、決済画面は固定、API は限定的、独自ドメインは有料、アダルトは不可。追跡している判定項目では有意な差がなく、実質的な決め手は手数料の実額と既存サービスとの相性になる。
主要な差分
解説と実務上の注意
正直に言うと、この2つはよく似ています
「STORES と BASE、どちらがいいか」を調べている方にまずお伝えすべきなのは、機能の骨格ではほとんど差が付かないという事実です。SpecAtlas が追跡している判定項目を並べると、結果がほぼ一致します。
- 決済画面のカスタマイズ: 両者とも不可
- API: 両者とも限定的(STORES は有料帯でのエンタープライズ連携、BASE は申請承認制)
- 独自ドメイン: 両者とも有料プラン限定
- アダルト商材: 両者とも不可
- 商用利用: 両者とも条件付き(規約に禁止カテゴリあり)
比較記事の多くは「BASE は〇〇が優れ、STORES は△△が優れる」と書き分けますが、規約と技術仕様から読み取れる範囲に限れば、この2つを分ける決定的な差は見当たりません。 判断材料にすべきなのは機能一覧ではなく、以下の3点です。
1. 手数料は「自分の客単価」で計算しないと比較にならない
両者とも「無料で始められて、売れたときに手数料」という骨格は同じですが、決済手数料と振込手数料の刻み方が異なります。そしてどちらが安いかは客単価と月間件数で逆転します。
客単価が低く注文件数が多いビジネスでは、1件あたりに固定でかかる手数料が効いてきます。客単価が高く件数が少ないなら、料率のほうが効きます。自分の平均客単価と月間件数を入れて実額を出す以外に、正しい比較方法はありません。 一般論が役に立たない領域です。
なお両社とも料金体系を改定します。二次情報の料金表を根拠に意思決定せず、必ず公式の料金ページで現行の数字を確認してください。
2. 機能で差が付かないなら、周辺サービスとの相性で決まる
決済、POS、予約など、EC 以外の業務をすでにどちらかの事業者のサービスで回しているなら、同じ事業者に寄せたほうが運用は明らかに楽です。EC 単体で比べ続けている限り決め手は出ないので、視野を周辺業務まで広げるのが現実的な決め方になります。
3. より重要なのは「出口をいつ通るか」
STORES も BASE も、決済画面に手を入れられず API が限定的である以上、事業が育った先で必ず頭打ちになります。 購入直前のアップセル、独自の配送ロジック、基幹システムとの在庫同期といった施策は、どちらを選んでも構造的に打てません。
つまりこの選択は「長く付き合うプラットフォームを選ぶ」意思決定ではなく、検証段階をどちらで走るかという一時的な選択です。そう捉えると、選定に時間をかける価値は大きく下がります。どちらかに決めて早く出品し、月商が立った時点で Shopify などへの移行を検討するほうが、比較検討に費やす時間より確実にリターンが大きい。
見落とされがちな制約:禁止業種
両者とも商用利用の判定は conditional で、規約に禁止カテゴリが定められています。アダルトは両者とも明確に不可。 健康食品、酒類、リユース品、デジタルコンテンツなどは条件が付く場合があります。アカウント停止は事業の停止と同義なので、扱う商材がグレーゾーンに触れる可能性があるなら、構築に着手する前に必ず現行の規約を確認してください。
権利
| 項目 | STORES | BASE |
|---|---|---|
adult_content_allowed |
不可 | 不可 |
commercial_use_allowed |
条件付き | 条件付き |
制約
| 項目 | STORES | BASE |
|---|---|---|
api_available |
条件付き | 条件付き |
checkout_customization_available |
不可 | 不可 |
custom_domain_available |
条件付き | 条件付き |
plan_limit_note |
— | 条件付き |
結論:どちらを選ぶべきか
機能で選ぼうとしないでください。 追跡している判定項目では両者に有意な差がありません。
推奨する決め方 — ①自分の客単価と月間件数で手数料の実額を計算し、安いほうを選ぶ。②同点なら、すでに使っている決済・POS・予約サービスと同じ事業者に寄せる。③それでも同点なら、管理画面を実際に触って操作感が合うほうを選ぶ。
どちらを選んでも決済画面は触れず、API は限定的です。 事業が育てば必ず制約に当たるため、恒久的な選択ではなく検証段階の選択と割り切り、比較に時間をかけすぎないことをおすすめします。