商用利用できるサービス一覧(27サービス横断)
「このサービスを business で使っていいのか」は、各社の規約を1つずつ読まないと分からない。SpecAtlas が追跡する27サービスについて、その判定を1枚に集約したのがこのページである。判定は公式規約・公式ドキュメントに紐づけ、条件が付く場合はその中身を明記している。
AI / LLM サービス
| サービス | 値 | 条件 | 出典 | 確認日 |
|---|---|---|---|---|
| ChatGPT | 条件付き | テキスト等の通常の出力は商用利用可で、権利もユーザーに帰属する。ただし ChatGPT の音声出力(Voice Output)は非商用限定で、単体の音声ファイルとして再配布・再パッケージすることが禁止されており、出力の権利譲渡の対象からも除外されている。 | OpenAI Terms of Use | 2026-07-23 |
| Claude | 可 | 出力の権利がユーザーに譲渡されるため、出力の商用利用は可能。ただし Consumer Terms は、本サービスを使って競合製品を開発すること、競合 AI モデルを学習させることを別途禁止している。 | Anthropic Consumer Terms of Service | 2026-07-23 |
| Gemini | 可 | — | Google Terms of Service | 2026-07-23 |
| GitHub Copilot | 可 | — | GitHub Copilot Product Specific Terms | 2026-07-23 |
| Perplexity | 条件付き | 消費者向けサービスは規約第5.1条で個人的・非商用の利用に限り許諾され、第5.2条 e が商業目的での利用を明示的に禁じている。商用で使うには別契約の API を利用する必要がある。API 規約に非商用制限の記載はない。 | Perplexity Terms of Service | 2026-08-02 |
API / 開発者向けプラットフォーム
| サービス | 値 | 条件 | 出典 | 確認日 |
|---|---|---|---|---|
| Anthropic API | 可 | — | Anthropic Commercial Terms of Service | 2026-07-23 |
| Google Gemini API | 可 | — | Gemini API Additional Terms | 2026-07-23 |
| Groq | 可 | 入力・出力を含む顧客データの知的財産権は顧客に留保される。なお groq.com のウェブサイト利用規約は「GroqCloud には適用されない」と明記しているため、API の条件はこの Services Agreement 側で確認すること。 | Groq Services Agreement(GroqCloud / API を規律する契約) | 2026-07-23 |
| Hugging Face | 条件付き | プラットフォーム自体は商用利用を許可するが、個々のモデルのライセンスが商用利用を制限している場合がある。採用前にモデル単位でライセンスを確認すること。 | Hugging Face Terms of Service | 2026-07-23 |
| Mistral AI | 可 | — | Mistral AI Commercial Terms of Service | 2026-07-23 |
| OpenAI API | 可 | — | OpenAI Terms of Use | 2026-07-23 |
| Replicate | 条件付き | プラットフォーム自体は商用利用を許可するが、個々のモデルのライセンスが商用利用を制限している場合がある。 | Replicate Terms of Service | 2026-07-23 |
| xAI (Grok API) | 可 | — | xAI Terms of Service - Enterprise(API を規律する契約) | 2026-07-23 |
EC / コマース基盤
| サービス | 値 | 条件 | 出典 | 確認日 |
|---|---|---|---|---|
| BASE | 条件付き | 適法な商取引の大半は可。ただしガイドラインに禁止カテゴリが列挙されており、該当すると出店できない。 | BASEの利用において禁止行為はありますか(ヘルプ) | 2026-07-23 |
| PayPal | 条件付き | 適法な商取引の大半は可。ただし Acceptable Use Policy に広範な禁止業種リストがあり、該当するとアカウントが停止され入金も保留される。 | PayPal Acceptable Use Policy | 2026-07-23 |
| STORES | 条件付き | 規約に禁止カテゴリ(アダルト、違法品など)が列挙されている。該当すると出店できない。 | STORES ネットショップ 利用規約 | 2026-07-23 |
| Shopify | 可 | — | Shopify Terms of Service | 2026-07-23 |
| Stripe | 条件付き | 大半の事業で利用可。ただし Services Agreement に制限業種・禁止業種が定められており、該当するとアカウント停止と入金保留につながる。 | Stripe Restricted Businesses | 2026-07-23 |
ホスティング / デプロイ基盤
| サービス | 値 | 条件 | 出典 | 確認日 |
|---|---|---|---|---|
| Cloudflare Pages | 可 | 全プランで商用利用に制限なし。無料プランは帯域無制限・静的リクエスト無制限・サイト数無制限を掲げ、制限はビルド月500回。 | Cloudflare Pages Pricing | 2026-07-23 |
| Cloudflare Workers | 可 | — | Cloudflare Workers Pricing | 2026-07-23 |
| Firebase | 可 | — | Firebase Pricing | 2026-07-23 |
| Fly.io | 可 | — | Fly.io Terms of Service | 2026-07-23 |
| Netlify | 可 | プラン単位の商用制限は無い。Vercel の Hobby と異なり、無料枠でも商用利用できる。制限はライセンス上のものではなくリソース上限として課される。 | Netlify Pricing | 2026-07-23 |
| Railway | 可 | — | Railway Terms of Service | 2026-07-23 |
| Render | 可 | — | Render Pricing | 2026-07-23 |
| Supabase | 可 | — | Supabase Pricing | 2026-07-23 |
| Vercel | 条件付き | Hobby は非商用の個人利用のみに制限され、商用利用には Pro または Enterprise が必要。Vercel は商用利用を「制作に関わった誰かの金銭的利益のために使われるデプロイ」と定義しており、決済の要求・処理、商品やサービスの宣伝、サイト制作やホスティングの対価受領、アフィリエイトを主目的とすること、広告掲載(Google AdSense を名指し)、寄付の募集がいずれも該当する。 | Vercel Fair Use Policy | 2026-07-23 |
解説と実務上の注意
横断で見て分かること:ホスティングで無料枠を非商用に限定しているのは実質1社
個別のページを読んでいると気付きにくいが、ホスティング9サービスのうち、プラン単位で商用利用を制限しているのは Vercel だけである。Netlify、Cloudflare Pages、Cloudflare Workers、Render、Railway、Fly.io、Firebase、Supabase はいずれも全プランで商用利用を認めており、制限はリソース上限として課される。
この差は実務で効く。「無料ホスティングは商用不可が普通」という思い込みは事実に反する。 むしろ非商用限定のほうが例外であり、Vercel Hobby でそれを知らずに収益化してしまう事故が起きやすい。
Vercel の商用定義は広い。決済の要求・処理だけでなく、商品やサービスの宣伝、サイト制作やホスティングの対価受領(受託納品)、アフィリエイトを主目的とすること、広告掲載(Google AdSense を名指し)、寄付の募集がいずれも該当する。「趣味のサイトに広告を1つ貼った」「知人のサイトを作って謝礼をもらった」でも該当し得る。
「条件付き」には2種類あり、意味がまったく違う
判定が conditional のサービスは9つあるが、条件の性質が3系統に分かれる。
(a) プランによる制限 — 該当は Vercel のみ。無料プランでは不可、有料なら可。お金を払えば解決する。
(b) 業種・商材による制限 — BASE、STORES、Stripe、PayPal が該当。規約に禁止業種・禁止カテゴリのリストがあり、該当するとプランを上げても使えない。お金では解決しない。 アダルト、違法品、一部の金融サービスなどが典型で、違反はアカウント停止と入金保留につながる。
EC・決済4サービスすべてが (b) に該当するのは偶然ではない。決済を扱う事業者はカードブランドや法規制の制約を受けるため、業種を選ばざるを得ない。 取扱商材がグレーゾーンに触れる可能性があるなら、プラットフォーム選定より先に、各社の禁止業種リストを読むべきである。
(c) 契約している製品そのものによる制限 — Perplexity が該当する。消費者向けサービスは規約第5.1条で個人的・非商用の利用に限り許諾され、第5.2条 e が商業目的での利用を明示的に禁じている。業務で使うなら、別規約の API を契約する以外にない。 プランを上げるのでも業種を変えるのでもなく、製品を乗り換える必要があるという点で (a) とも (b) とも違う。
この型が最も見落とされやすい。同じ名前のサービスなので、契約している製品が違うという発想自体が出てこない。
AI サービスの「条件付き」は第4の型
Hugging Face と Replicate の条件は上記のどちらでもない。プラットフォーム自体は商用利用を許可するが、個々のモデルのライセンスが商用利用を制限している場合があるという構造である。つまり可否は「サービス」ではなく「使うモデル」ごとに決まる。モデルを差し替えるたびにライセンスを確認する運用が必要になる。
ChatGPT の条件も特殊で、通常の出力は商用可だが音声出力(Voice Output)だけは非商用限定で、出力の権利譲渡の対象からも外れている。
なお Perplexity と ChatGPT に共通するのは「非商用限定」という言葉が出てくる点だが、範囲がまったく違う。ChatGPT は音声出力という一機能に限られるのに対し、Perplexity は消費者向けサービス全体が非商用限定である。
判定が yes でも無条件ではない
Claude と Groq は yes だが条件文を持つ。いずれも出力そのものの商用利用は自由な一方、そのサービスを使って競合する AI 製品やモデルを開発することは禁止されている。生成物を使う分には問題なく、モデルの代替として流通させる形態が制限対象になる。
確認すべき順序
- 取扱商材が禁止業種に該当しないか(EC・決済を使うなら最優先。プラン変更では解決しない)
- そもそも商用が許諾された製品を契約しているか(Perplexity は消費者向けとAPIで正反対)
- 無料プランのまま収益化しようとしていないか(Vercel なら要注意)
- 使うモデルのライセンス(Hugging Face / Replicate の場合)
- 出力を「モデルとして」再配布しようとしていないか(AI API 全般)